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適塾見学&除痘館記念資料館での学び

幕末期の名医、緒方洪庵が開いた適塾へ見学に行きました。

医者がこの世で生活しているのは、人のためであって自分のためではない。決して有名になろうと思うな。また利益を追おうとするな。ただただ自分をすてよ。そして人を救うことだけを考えよ。
賢く、医を追求し、人々を平等に思う穏やかな人柄であったという。
洪庵の静かなる闘志とパワーを受け取るため、東京からはるばる大阪の北浜へ向かいました。

1.緒方洪庵とは

未知の学問を体系化した、幕末における洋学研究の第一人者「緒方洪庵」
洪庵はすぐれた蘭学者・医学者であったばかりでなく、みごとな教育者で人格者だったといいます。

洪庵は武士の生まれだが本来病弱なため、医者を志しました。
また洋学研究の第一人者として仰がれた。翻訳スタイルは独自の方法をとった。蘭語を書いてあるそのまま翻訳するのが江戸スタイルであったが、洪庵は読む人い意味が伝わることが目的と考え抄訳したそうです。
そして医師としてはわが国ではじめてできた病理学総論「病学通論」という医の倫理書を著しました。未知の学問を体系化するに至った苦心と功績は極めて大きい。

小5の国語の教科書に採用されている司馬遼太郎がやさしく説いた「21世紀に生きる君たちへ」内の短編「洪庵の松明」はあまりに有名。

かれは、名を求めず、利を求めなかった。 あふれるほどの実力がありながら、しかも他人のために生き続けた。そういう生涯は、はるかな山河のように、実に美しく思えるのである。
この一文には心が洗われ、そして身が引き締まる。

またマンガやドラマが大ヒットした「JIN~仁~」にも緒方洪庵が登場します。
ドラマ版では武田鉄矢さんが演じていました。幕末の金八先生のようでしたよね。



2.適塾とは

「適塾」は緒方洪庵が開いた学塾です。蘭学・医学に根ざした教育と研究を進める塾でした。
優れた塾であるため、全国各地から入門者が集まりました。その数は千人に達したと考えられており、姓名録が現存し、展示されています。入学試験はなかったそう。8クラスに分かれ出来るものが出来ないものに教えるスタンスだったとのことです。

適塾門下生は優れた医学者・蘭学者として出発し、やがて日本の近代化に尽くした人物が多くいます。
慶応義塾の創設者である福沢諭吉
倒幕・明治維新に尽力した維新の十傑である大村益次郎
日本の安全保障を弁じた先覚者でありながら安政の大獄で斬首となった橋本左内
明治の外交で活躍した大鳥圭介、
わが国ではじめて赤十字博愛精神を実践し日本赤十字の礎を築いた高松凌雲
などなど、志のある方ばかり。

偉人たちが学んだ適塾が、江戸時代の町屋の姿をそのまま現在に留めていて、中を見学することができるのです。ここは日本の蘭学塾の唯一の遺構とのこと。史跡・重要文化財に登録されています。
実際、オフィス街に突如としてあらわれる適塾ですが、不思議なほど近くのオフィスビルと調和しています。

適塾にはエアコンはありません。
見学に行った日は、梅雨があけていない蒸し暑い気候でしたが、中庭をぐるっと囲んだ建物内は風の通りがよく、とても涼しかった。
また、シンと静まりかえった邸内で幕末に思いをはせる時間はとても贅沢に思いました。

中は写真撮影はしてはいけないかな?と控えたのですが、手塚治虫の「陽だまりの樹」のマンガのワンシーン、急な階段は良庵が転げ落ちたのが本当によくわかる絶壁のような階段でした。一段一段が高くて、スカートだと少し大変かも。
でも上に上がると、塾生たちが熱心に勉強したヅーフ部屋や血気盛んな若者がつけた柱の傷など見応えがありますから、ぜひ、気をつけてあがってみてください。

階段から落ちた手塚良庵は、手塚治虫の曾祖父にあたる医師です。「陽だまりの樹」は手塚治虫が先祖について書いた晩年の傑作です。良庵は結構女好きだったみたいですよ。

3.緒方洪庵の妻 緒方八重

適塾を見学すると、妻である八重の活躍が浮かび上がります。
八重は13人の子どもを産み、そのうち4人は早世しています。幼子を支える母として、病弱な洪庵を助けながら医院を切り盛りし、1000人を超える塾生の母と慕われるほどによく世話をし、面倒を見たそうです。
時にはハメをはずす、若者達が引き起こした問題も町にでかけて示談にしたり、励ましたり、貧しい者にも使用人にも温厚に接し、慈母のごとく慕われたといいます。
洪庵が亡くなったのちに、3人の息子をロシア、オランダ、フランスへとそれぞれ海外留学させているのもすごいところです。

塾生たちの数多くのやんちゃエピソードは福沢諭吉が書いた「福翁自伝」で数多く読み取ることができます。
八重、すごいよ・・・。誰もが優しいという八重・・・。八重は誰に癒やされていたのかな。八重に感銘を受けたよ・・・。

4.除痘館記念資料館も合わせてどうぞ

歩いて2分の場所、緒方ビル内「除痘館記念資料館」は無料公開されています。
天然痘は古来人類に惨禍をもたらした恐ろしい感染症であり、発症すると20~30%の人が亡くなる病気でした。
イギリスから牛痘種痘法がもたらされたのは幕末のことです。蘭方医を中心とする医家たちの努力で急速に普及しましたが、この活動の一大拠点となったのが緒方洪庵を核とする大阪の「除痘館」です。
現在では天然痘は地上から根絶されています。
お金のないものには無料で予防注射を打ったという洪庵。心血を注いだ様子が、手塚治虫の絵に描かれており、1階の入り口に横に飾られています。

5.見学に要する時間・まとめ

適塾は一般料金260円。ゆっくり展示物を見て1時間くらい。(ささっと見る方なら30分くらいかな。もったいないですけれど)
除痘館記念資料館は20分ほどで見ることが出来ます。

静かで厳かで、でも癒やされ、刺激ももらえるそんな場所です。
幕末にタイムスリップしたような気持ちも味わえる適塾。また大阪に行った際には立ち寄りたいです。

緒方洪庵といえば、司馬遼太郎の小説「花神」
1977年に中村梅之助さん主演で適塾が大河ドラマの舞台になっています。

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