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デイサービスとは 働いて見えたデイサービスの選び方

在宅で暮らす方にはとても大事な通所介護「デイサービス」
私は看護師として様々なデイサービスで健康管理業務をしてきました。
一口にデイサービスといっても業態も規模もレクリエーションも食事提供方法もほんとうにいろいろ。
利用者さんを見ている中で「この方はもっと小規模デイサービスのほうがいいのにな」
「このデイサービスに巡り会えてよかったですね」
などと様々な思いを持ちました。

今日は働いていたからこそわかる「ケアマネさんまかせにしないデイサービスの選び方」を考えていこうと思います。

1.はじめに デイサービスとは

デイサービス

介護が必要な高齢者に通ってもらい、健康チェックや入浴、昼食、レクリエーションなどを提供する。介護保険サービスのひとつで、利用者の心身機能を高める狙い。全国に約2万3千カ所。デイサービスの利用で、外出が習慣化され、生活にリズムが生まれる。在宅介護をする家族の精神的、肉体的負担を減らすメリットもある。出典 朝日新聞掲載「キーワード」(2012-03-21 朝日新聞 朝刊 生活1)

送迎車でご利用者様をお迎えし、デイサービスセンターにご案内します。
送迎がついているのが家族にはありがたいところ。

2.デイサービスの目的

①日常生活の中で健康チェックの機会をもつこと

到着するとすぐに体温・脈拍・血圧測定をします。
入浴予定の方は、このときに血圧が高いまたは著しく低い場合は入浴を差し控えます。介護士さんまたは看護師が測定。異常値は看護師に報告が来ます。

例えば、入浴後に急に血圧が下がったという場合には救急処置をとります。ショック体位にし、それでも血圧が戻らない場合、救急搬送するといった医療判断を行います。

②入浴

入浴はデイサービスの目的の中でかなり大きなウエイトを占めています。
高齢者は転倒の危険があり、入浴介助はとても神経を使います。家族にとって大変な介護のナンバー1といっても過言ではないです。
家庭のお風呂は狭いことも多く、介助しながら入浴するには困難なことも多いです。デイサービスのお風呂は浴槽も広く、手すりなど充実し、車椅子で入れるなど介助しやすい形状が多いです。
そのほか毎日入浴することが億劫な方は、デイサービスのときだけ入浴される方もいらっしゃいます。

ただし半日利用のフィットネス型デイサービスは、入浴がつきません。
また家庭的なデイを売りにしている小規模型のデイサービス、例えば古民家を改装したところ、ふつうの一軒家で行っているデイサービスでは、家庭用の浴槽で入浴するため介護士さんが四苦八苦しながら入浴介助をおこなっています。

入浴をこよなく愛する方は浴室の形状と、入浴について詳しく聞いておくといいです。
大規模デイサービスで人員が足りない場合、シャワーだけということもあります。
(でも介護士さんかなりいっぱいいっぱいで責められない現状・・・)
小規模で介護はしずらいけれどマンツーマンのぶん、ゆっくり浴槽につからせてくれるパターンも。ただし、ひとりづつなので毎回は難しいということもあります。

もし、寝たきり、移動が困難な場合は、巡回入浴サービスを利用されるとラクに湯につかることができます。

③昼食

≪食事はデイサービスによって全く提供形態が違います≫
(1)調理室があり、給食のように提供される。
(2)介護士が調理。本部から送られてきた食材をレシピを見ながら料理。ある意味、料理のス
キルが問われる。利用者さんにも手伝っていただくことも。(これも機能訓練のひとつです)
(3)介護士が用意。本部からすべてパウチされている調理済み惣菜。ご飯は炊くが、それ以外は湯煎したものを盛り付ける。
(4)お弁当が届く。これを配膳。

(4)以外は温かいものが食べられます。普段、宅配の介護食を召し上がっている方は(1)~(3)
のあたたかいものが食べられる機会があるといいのかな、と思います。
(1)の給食型は、きざみ食、ミキサー食などの多様な食事に対応しています。
(2)~(4)は普通食をはさみで切って食べやすくする程度の対応となることがほとんど。
(2)の介護士調理型では、ミキサー食に対応していることもありました。

きざみ食 ミキサー食についての以前の記事

⇨かなりやわらか宅配食はこちら⇦

半日タイプのデイサービスはお茶が出るだけで、通常食事はありません。

④レクリエーション

デイサービスといえば、童謡を歌って、風船をはずませるゲームをしたりと子どもだましで気が乗らないなんてイメージが根強いです。
でもいまはいろんなレクの形態があるんです。
例えば
○スポーツジムのように、エアロバイクなどの機械があるデイサービス。身体を動かすのが好きだけれど「パーキンソン病で思うように動けない」「脳梗塞後の麻痺があり、両方の手足を使うことは難しい」など、通常のスポーツクラブを利用するのは難かしいけれど、まだまだ動かせる部分もある方におすすめです。

○半日のフィットネス型。ヨガ教室がメイン。思うように動けない方は座位で行うことも可能。

○エステ、ネイルがウリのデイサービス。

○レクリエーションは少なめ。居合わせた方とおしゃべりする。場所の提供というスタンス。

○くもんのプリントを解いたり、パズルをやるような学校形式。

○童謡やなつかしの歌を歌いまくる。

○アロマキャンドル作、ちぎり絵、パッチワークなどカルチャースクールのような催しがウリ。

などなど。

童謡を歌うのは「ちーちーぱっぱ」などと少し小馬鹿にしたスタンスを感じます。
しかし認知症の患者さんは、目の前のことは忘れてしまいますが、過去の記憶は鮮明です。
懐メロはよく覚えている方が多いので、楽しそうにみなさん歌っています。
歌うのが好きな方が、アロマキャンドル作りなどのカルチャースクールタイプのデイサービスを利用してもミスマッチ。
実際、蜜ろうねんどのキャンドル作りで見た光景ですが、つまらなそうにそっぽを向いている利用者さん。蜜ろうねんどは体温で温めながら伸ばさないと、固くて扱いが難しいのです。このためすっかり、飽きてしまったようでした。
家族の思いや「こういう場所いいね」と飛びつくのではなく、今、置かれている現状と状況を加味して選択する必要性を感じました。

3.まとめ

デイサービスの形態は都心部では様々あります。
通われる利用者さんに合った施設を選んでいただけると、毎週のデイサービスが楽しみになります。
ケアマネさんもプロとはいえ、初めて出会った方の趣味嗜好を熟知して施設を選択することは難しい。そして多種多様な施設を把握している方も、把握していない方もいます。ぜひ、趣味や特技、好きなことを伝えてください。
たとえ認知症であっても、アルツハイマー型認知症では人格の変化は基本的にないので、好きなことはずっと同じです。

熱心なケアマネさんは、各種施設に足を運び勉強されています。たくさんの利用者さんを抱えて頭が下がる思いです。しかし、個人の努力にまかせている現状を考えると、これは全員のケアマネさんができることではありません。

どこが「いいデイサービス」なのかは、人それぞれです。
ご家族も情報収集して、信頼して楽しく通うことができるデイサービスをみつけましょう。
ご本人のためはもちろん、そしてご家族にとっても信頼できるデイサービスを見つけることは大きな力となります。

優先順位は人それぞれ。特殊なサービスをしていなくても、職員さんがあたたかく、居心地がよいデイサービスもあります。一方、職員さんの創意工夫が感じられるデイサービスもあります。まず様々な形態があることを知ることからはじめてください。ひとりひとりに合った居場所が見つかることを願っています。


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