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食欲低下 吐き気に対してできること

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吐き気と嘔吐、食欲の低下。周りで見ているととても辛そうです。
少しでも楽になる方法はないかな、ちょっとでも何か口にできないかしら・・・。
実は周りにいる人ができることもあります!
食欲低下している患者さんはどんな状態なのか。一体何ができるのか。
私自身の病棟看護師時代の忘れられない食事援助の失敗体験も自戒をこめてお話します。

1.吐き気と嘔吐に対してできること

これは残念ながら薬に頼るしかありません。吐き気を抑える薬(制吐剤)は、病態により医師は使い分けています。
例えば、
「少し食べたらお腹いっぱい」「胃につかえるかんじ」→消化管の蠕動運動低下とみて薬を選択
「麻薬が増えたら気持ちが悪い」→薬剤の副作用とみて薬を選択
「起き上がると気持ちが悪い」「歩くと目が回る」→前庭神経刺激とみて薬を選択

これらの薬については、処方の方法などがアップデートしています。
最新情報を医師は選択してくれるはずです。

2.食欲低下がおきるわけ

食欲低下は、終末期に出やすい症状です。匂い・味・口内炎・便秘・衰弱など原因ははっきりしませんが多岐にわたる原因があります。
「食べない」のは「身体が食事を必要としなくなった、またはほんの少ししか食事を受け付けない身体になった」と理解するといいです。
「食べたいのに食べられない」のとは違います。

3.食欲低下時に食べられるもの

食欲低下時の鉄則は「食事を無理強いしないこと」「食べたいときに食べたいものを食べられるだけ」
元気が出ないから少しでも食べたほうがいいよ、バランスよく!・・・なんて声かけは患者さんがつらい思いをします。

食欲低下している患者さんに人気の食品はなんでしょう。
さっぱりしているもの、もわっと匂いがたたないもの、冷たいもの。
「氷」を口にしたい方は多いです。あとはアイス。味はシャーベットのもの、バニラなんかも好まれます。
おにぎりもホカホカおにぎりは食べられないけれど、コンビニの冷えたおにぎりなら食べられるということも。
意外と人気なのは「コーラ」「ポテトチップス」「インスタントのカップうどん」といった味が濃く、塩気の多いもの。
これらはつわりで吐き気が強い時に欲するものと一緒です。
つわりのときも何故かさっぱりしたもの、冷たいもののほか、マクドナルドのポテトというTHEジャンキー!なものが食べたいという方多いのです。
味覚が変わるといいますが、この共通点は不思議ですね。

いくらなら食べられるなんて方もいました。一粒一粒おいそうに召し上がっていました。
家族が買いに走ったものの思うように食べられないということもありますが、逆に食べたいものをごく少量でも召し上がってうれしそうな様子もありました。

4.食欲低下時にできる工夫

もわっと匂いたつ香りで吐き気を催します。在宅看護でしたら、炒める・煮物を煮る・ご飯が炊けるなどの匂いが患者さんにいかないよう十分に換気扇を回すようにしましょう。

病院・施設では配膳の際に「蓋をとって」出すといいです。麺類も冷ましてから配膳するとかの工夫も必要です。湯気や匂いがたたなければ少し口にできることもあります。

5.食欲低下時の口腔ケア

口腔ケアは重要です。
口の中がさっぱりすることで食欲が少し出ることがあります。口内炎が出来ていることも多いので、スポンジブラシなどを用いて痛みが出ないような口腔ケアが必要です。
ハチアズレといううがい液やハッカ油を綿棒で口の中に少し塗ることもいいでしょう。
またいわずもがな。口腔ケアは肺炎予防にも有用です。
難しければプロの歯科医&歯科衛生士に口腔ケアをお願いしましょう。

6.水も飲めないなんて「脱水になるんじゃない?」「点滴してあげて先生」問題

人間は自然の状態で過ごせば最期は必ず脱水になります。<枯れるように亡くなり>ます。
最終段階で水分がもう入らない身体なのに、点滴を入れることで苦痛を増やすこともあります。
癌患者さんでは、点滴の栄養が身体を受け付けないだけではなく、癌に栄養が取られます。水分は浮腫(むくみ)となって身体全体にたまっていきます。
あっぷ、あっぷの点滴の水に溺れた状態は身体は重く、呼吸も息苦しいです。

脱水になると、眠くなり苦痛も軽減させます。より自然の状態で逝くことができます。
医学的にはこの時点の点滴は意味がないことですが、患者さん本人が強く希望した場合には少量の点滴をゆーっくりおとすこともあります。患者さんの身体に負担がないよう絞った点滴とします。

7.わたしがいまでも反省している食欲低下時の配膳

看護師2年めのころの話。
60代前半の疾患により人生の最終段階を迎えた患者さん、Aさんがいました。食欲低下が著しく、配膳しても食事はほぼ手をつけないこともわかっています。
朝食時の配膳後、いつものように病棟内ラウンドをしていました。
朝食はパンとサラダ。
Aさんは食べられていないよね・・・と、病室をのぞくと主任ナースが食事介助をしていました。食パンにサラダをはさみ、サンドイッチにしています。めずらしくAさんが食事を口にしていました。
「食べられない」と決めつけて、自分は工夫を怠っていたのに、主任は目先の変化で自然と食べたくなるような看護を行っている。ほんとうに恥ずかしく、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
それから先は、少しの工夫と協力で「食べたいときに食べたいものを食べられるだけ」とることができるような援助を心がけました。

8.まとめ

食欲低下はポピュラーな症状ですが、「仕方ないこと」とと思いがち。
いえいえ、わたしたちにできることもあります。
調子がよい日に少しでも食べられると患者さんはとてうれしそうです。人間の本能の基本的欲求が満たされるのでしょう。
少量でも好物を食べ、好きなお酒で口を湿らせてされて最期を迎える方も、中にはいらっしゃいます。
自分らしく生き抜く姿勢が素敵でした。

ishiko
みなさんは最後の晩餐に何が食べたいですか?

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