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「孤独死」誰が寂しいものと決めたのか

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2009年8月のこと。女優の大原麗子さんが不整脈による脳内出血にて亡くなった。

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マスコミには
子供がいない大原さんは孤独を感じながら晩年を過ごしていたとされ、亡くなった時には「孤独死」と報道されました。

一人の時に亡くなったら孤独死なのかな?

 病院や施設では、夜間の巡視の際に既に亡くなっている方を見つけることもあります。
また在宅で暮らしている方でも家族がたまたま不在のときに亡くなる場合もあります。

ひとりで死にゆくのは同じでも、病院や家族がいれば孤独死でないのでしょうか。
一人暮らしの方が亡くなったら孤独死なのでしょうか。

訪問看護時代にわかったこと。それは在宅生活を選び取っている患者さんたちがなぜ、ナースコールを押せばだれかが来てくれる、病院や施設の生活を望まないか。

理由は「住み慣れた場所で、自由に過ごしたいから」

これが一番大きいと感じます。

起床時間、消灯時間が決められ、テレビはイヤフォンで。食事が出てくるのはラクだけど「生もの」「お酒」はご法度。パンを食べたい気分、ケンタッキーを食べたい気分。

いろいろ場気分に合わせて好きなものを食べられることがいい。
スタッフがいくら優しくても、気を遣うから心からはくつろげない。
そんなお話をされていました。

こうして、一人暮らしを選んだ方々。
不便を承知で一人暮らしを選んでいるのでトラブルについては受容されています。

例えば
起き上がりが不自由な難病患者さん。かろうじて座位は保てます。
寝ようかな~とテレビを消すためにリモコンに手を伸ばしたとき、ベッドから床にリモコンを落としてしまった。
拾うことはまずできません。
「今日最終の21時のヘルパーさんは帰っちゃったな」
「次は7時の朝食準備のヘルパーさんまで待たなくちゃ」
テレビをつけたまま、寝て翌朝を待つのです。

例えば
持病が悪化し、末期の状態の患者さん。
自宅で杖をついてどうにか歩ける方でした。
ベッド横のサイドテーブルに、飲み物や食べ物、リモコン類など全てそろえてあります。飲み物を取ろうとサイドテーブルに身体を寄せた際、誤ってベッドから転落してしまいました。それが夜中でした。
翌朝9時半の訪問看護師が訪問するまで、ベッドから転落したままです。
わたしが翌朝訪問した際、ベッドがもぬけの殻だったため、ほんとうに驚きました。
すると「おーい!」「だれかー!」の声。
えっ。どこどこ?きょろきょろすると患者さんがサイドテーブルの下に倒れています。
水がこぼれ、失禁もされています。
狭いサイドテーブルの下で過ごしたおよそ10時間。
お話を伺うと、なんとか自力でベッドに戻ろうともがいているうちに、サイドテーブルの中にどんどん潜っていき、どうにも出られなくなったそうです。
「はああ。助かったー」
清拭が大嫌いな患者さんでしたが、さすがにこの日は拒否はなかった。
熱いタオルで、全身清拭。床ずれもできておらず、安心しました。

二人の患者さんはこうした<ままならない事態>があっても
「それでも自宅がいい」こうおっしゃっていました。

こうした患者さんが亡くなった時、これは孤独死と呼ばれるのでしょう。
お二人とも奥さんやお子さんがいない方でした。けれど友人や兄弟と付き合いはありましたし、なにより一人の時間を謳歌されていました。

「孤独死」という決めつけがとても失礼だと考えます。

大原麗子さんだって、ひとりの時間を楽しんでいたかもしれない。
女優さんだから、人目につくようなところではくつろげず、自宅が唯一の城だったかもしれない。
家族に囲まれて亡くなる、以外に自分自身で選び取るという最終段階があっていい。
それが傍目に「幸せそうに見えるか」ではなく自分自身が満足していればいい。
その人の気持ちはその人にしかわからない。
そう思っていたところ。

2017年8月に大原麗子さんの死の真相を語る近しい方の記事がでていました。 NEWSポストセブン

✔ 大原麗子さんの孤独死の真相を、元マネージャーの女性が初告白した
✔ 一人で寂しく亡くなったとの報道も目にするが、実は違うと元マネージャー
✔ 死ぬときにはスーッと消えたいと語ってたらしく、自ら孤高を選んだのだそう

 彼女の衣裳部屋の壁には『孤独な鳥の、5つの条件』という詩が貼ってありました。サン・ファン・デ・ラ・クルスというスペインの詩人が書いたその詩を彼女は毎日眺めていたんです。

孤独な鳥の5つの条件

一つ 孤独な鳥は高く高く飛ぶ
二つ 孤独な鳥は仲間を求めない、同類さえ求めない
三つ 孤独な鳥は嘴を天空に向ける
四つ 孤独な鳥は決まった色をもたない
五つ 孤独な鳥はしずかに歌う

 

どう生き抜くかは自分で決めることが一番です。
どこで過ごしたいか、何を食べたいか、誰と過ごしたいか、一人がいいのか。
こういうのも悪くないなと思う方も
まっぴらごめんと思う方もいていいと思います。
考えるのは面倒だから、病院や施設に入っているほうがいいよ、という方もいらっしゃいます。
どれも正解だと思うのです。

自らの生き方を選び取り、悔いなく過ごせることができることを願っています。

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