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私の四つのお願い / (株)ワールドプランニング エンディングノートレビュー

1.商品情報

価格Amazonにて2160円

タテ30.2 x ヨコ21.4 x 厚さ0.7 cm

紙質 上質紙 裏うつりしないしっかりした用紙

大型本に分類されている。実際届いたとき想像以上に大きくて驚いた。このため字が大きく、見やすさは抜群。一方、収納時に通常の本棚には入らないことを覚悟しましょう。

A4ノートとの比較。かなり大きい。(手近にあった息子のノート、表紙がしわっしわという悲しみ)

値段が2000円超え。通常のエンディングノートの倍近い値段なので、一瞬、Amazonでポチっとする指が躊躇してしまった。
               厚紙のケースに2冊収納されている。
「事前指示書(本編)」とその「書き方」に分かれている。パンフレットのような中とじ。このため、手で押さえていなくてもしっかりと開き、記入しやすい。安っぽさは感じない。

2.対象年齢

認知症をはじめ、自分で自分のことをきめることができなくなってしまう病気にかかった場合に備え、<終末期医療の考えや願望を前もってしめしておく>という明確なコンセプトの本。
若年者でも病気になることはあるので、向かないとはいいきれないが、一般的に終末期を考える中高年向き。

Amazon掲載の商品説明より抜粋
「突然の病気」「予期していなかった認知症」などもし、自分の意思とは違う生活を強いられることになったとしたら、今後の人生を自分で決めるために、自分の最期の生き方を…一度考えてみませんか。『私の四つのお願い』の冊子は、“あなたが重い病気にかかり、自分の意思を伝えることができなくなったときに、助かる見込みがない終末期であると判断されたのであれば、自分の医療ケアをどうしてほしいのか”ということを、ご家族をはじめ、あなたの親しい人々、医療担当者に伝えることをお手伝いします。

3.私の四つのお願い / 目次

はじめに
CONTENTS
事前指示書を書くために
事前指示書がないと
事前指示書があると

part1 なぜ医療のための事前指示書が必要なのか

1:認知症の人は増えています
2:認知症が進行すると、自分で、自分のことを決めることができにくくなってきます
3:自分で自分のことを決められるうちに、将来の自分の治療方針について決めておくことが大切です
4:『私の四つのお願い』は“生きること”を大切にしたいと願っています

part2 事前指示書『私の四つのお願い』とは?(私のお願い1の書き方
1:私のお願い2の書き方
2:私のお願い3の書き方
3:私のお願い4の書き方
5:よい事前指示書を書くために

part3 終末期に何を決断するのか
1.認知症終末期の緩和ケア
2.終末期の医療について決断する
3.決断したことを実行することの難しさ

4.総評・口コミ・レビュー

2011年2月25日 第一版発行
2017年10月 第一版4刷
作者の箕岡真子さんは、箕岡医院院長
主な研究領域/終末期医療ケアの倫理・高齢者ケアの倫理・介護倫理・認知症ケアの倫理

箕岡先生の終末期医療ケアに関する考えと根拠はこちらの論文を参照ください。
実際に平穏な死とは何かを問い続け、四つのお願いを作成した考えと姿勢がよくわかります。
日本における 終末期ケア“看取り”の問題点 ー在宅のケースから学ぶー
2011年11月18日ワークショップ東京 国際長寿センター & Hasting Center 国際比較の視点からみた 終末期ケア“看取り”の 現状・課題と今後の展望 より

良い点


事前指示書「私の四つのお願い」を記入するにあたっての「書き方」小冊子がかなり詳しい。現実に即した内容が、多く具体的。この内容なら、実際に医療現場で終末期の治療の判断に活かすことが出来る。

本の中身


2人の証人を立て、事前指示書を作成できるようになっている。

私の四つのお願いは、アメリカで法的効力を持つ事前指示「Five Wishes ファイブ ウイッシューズ」(尊厳を持って齢を重ねるための協会)参考にして、日本の実情に合わせて作られたものです。
この四つのお願いに法的強制力はありませんが、病院や介護施設でこの具体的な指示書を提示したら、最大限考慮される可能性が高いです。

わたしのお願い1「自分自身で医療・ケアに関する・決定ができなくなったとき 私の代わりに決定をしてほしい人

普段関わっていない子どもや声の大きい親類、遠縁の医師と名乗る人・・・・などなど、判断決定をする際にもめがち。
本人から託されたとなれば、余計な口出しをされる恐れがなくなります。

わたしのお願い2「望む医療処置」と「望まない医療処置」

死が間近にせまったとき、昏睡状態のとき、脳損傷で回復の見込みがないとき、とこまやかな設定で延命治療に関する考えを記入します。

わたしのお願い3 「残された人生を充実したものにするために」「快適に過ごすために」

終末期になっても日常生活は続きます。この章では例えば「可能な場合にはだれかがそばにいてくれることを望みます。死が近づいたときはとくにそうしてください」「唇や口内の乾燥を防ぐために、常に湿り気をあたえてください」等にチェックをいれることができます。

私のお願い4 「私の大切な人々に知っておいてほしいこと」

自分の心の中をことばで表すことが出来るページです。自由記載欄も小スペースですがあります。

残念ポイント

もともと英文であったものを日本バージョンに書き直したため、違和感を感じる表現もあります。
たとえば
□私は、私の家族と友人たちに、私が皆を愛していたことをしっておいてほしいと思います
□私は、私を傷つけた家族や友人たち、その他の人々のことを許しています。そのことを彼らにしっておいてほしいと思います
など。このあたりは、通常のエンディングノートのようにフリースペースに記入するか、人に見られたくないようだったら、手紙を書くほうがよっぽど「愛」や「許し」が伝わると思います。

また、だれかの看取りを経験しないと、いくら小冊子を読んでもピンと来づらいかなとも思います。
医療処置が具体的なだけに経験しないとわかりくい。
医療者に説明して貰う必要性も感じます。

5. 5つ星判定

エンディングノートソムリエの評価 

終末期について詳しく、わかりやすく細かく記入されているのがとてもよい。しかし、これが仇となり読むのが億劫になってしまう可能性も否定できない。
通常のエンディングノートでは終末期医療についての項目が手薄。
「これではもしものときに役立たないんでは?」と思うこともしばしばあります。通常のエンディングノートに加えてこちらも書くのはいいと思います。
終末期によりよく生きることをメインとしたい場合はぴったりの1冊。

2160円と値段が高いのがネックだが、これだけの具体的な事前指示書の情報がつまっているなら、適正な価格といえるだろう。
アドバンスケアプラン(人生会議)について学んでいる方にもおすすめです。

星5つでない理由。それは「四つのお願いをエンディングノートと言っていいのか」と考えたため。かなり終末期に特化した内容です。自分史や財産をまとめるような項目は一切ないことを理解した上で購入しましょう。


本当に使って良かった!エンディングノート ランキング

医療・福祉現場で約15年働いてきた看護師であり、エンディングノートプランナーが作成した
本当に使ってよかった「エンディングノート」ランキング。

みなさんにピッタリ合うエンディングノートが手に入れられるようにしたい。
そんな思いからすべて自腹で購入!
中身を吟味しランキング作成をしました。ランキングはいいものが見つかれば変動します。お役に立てたら幸いです。

1位 「もしも」の前に作っておきたいエンディングノート

かゆいところに手が届くエンディングノート。
目が悪い方、マス目に字を小さく書くのが難しい方、老眼・白内障・緑内縁など小さな文字が見えにくい方には記入欄が大きく、読みやすいでのでおすすめです。両親へのプレゼントなどにも最適です。
必要な情報が網羅されているにも関わらず「たくさん書かないと」というプレッシャーを感じさせない内容。
かつ、思い出や未来に向かっての気持ちの整理もできて、単なる終活という意味合いだけではないのがとても良いです。

2位 そのまま書ける!パソコンでも使える! 明日のための「マイ・エンディングノート」

両親にプレゼントしても、若い世代が記入しても、配偶者と書いてもよいオールマイティーなエンディングノート。
文字を書くスペースが大きめで、ぎっちり詰まっていないので目に優しい。
特筆すべきはやはり2冊組であること。財産関係は分けて保管して、必要な人にしか見せたくないですよね。
またパソコン入力を希望されていた方には、CD-ROM付きはありがたい。
星5つにならなかったのは値段です。2000円超えは割高に感じてしまいそう。しかし、内容とCD-ROMのことを確認すると妥当なお値段だなと思います。
本当に使って良かった!エンディングノートランキング2位にランキング入りしました。ランキング入れ替わります!
充実した内容含め、幅広い世代におすすめできます。

3位 MY Life これまでとこれから自分史年表+エンディングノート

「人生の終着地点を考えることで、今をよりよく生きる」ことを実現できるエンディングノートの決定版。
K&B PUBLISHRS 旅のガイド本「るるぶ」の出版社。終末期やエンディングに特化していないため、幅広い年齢層が利用することができます。
これまでのあゆみや思い出を振り返りまとめられる自分史機能+「これからのために」「もしものために」を記入できるエンディングノート機能が1冊にまとまっています。
自らの人生観を整理しつつ、楽しみながら記したい方なら、若者~中高年~老年期とどの世代にもおすすめ。
(簡潔に終末期のことのみ記したい方にはおすすめできませんので注意)

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