
親ブック
株式会社ケアポット

親ブック
株式会社ケアポット
1.商品情報
価格Amazonにて1404円
タテ21 x ヨコ15.5 厚さ1.3 cm
紙質 上質紙のノート 表紙のみ下敷きのようなポリプロピレン風のカバー 背表紙は厚紙 安っぽさはない
A4版の半分のA5サイズ。こじんまりとしており、かわいらしい雰囲気とサイズ感がマッチしている。
記入する用紙はつるつるとした上質紙で厚口。
まさにノートという体裁ながら、どこか高級感があるのは紙質とデザインの良さが寄与している。
罫線も手書き風のドット。全体的にパステルカラー調であたたかみを感じる紙面。
リング式ノートなので半分に折りたたむことも容易。
2.対象年齢
親ブックという名前のとおり、子どもが親に聞き取りながら記入するノート。このため、親がいるなら何歳でも適応。ですが現実的に親の交友関係や生活が気になり出すのは、子どもである自分が30代後半~、または両親が65歳すぎたころかな、と思います。
親ブックのコンセプトは、親子をつなぐきっかけ作り。
「あなたはどれだけ親のコト知っていますか?」
「親のこと少しづつ紐解いて・・・。」
「思い出のドアそっとノックしてみよう」
親ブックは書きこむことで親子をつなぐ世界でたったひとつの本です。
大人になった子どもとして、親のことを知り、どう親と関わればいいのかを考える・・・
親ブックをつくる中で、そうしたキッカケに出会うことができればと思っています
3.親ブック/(株)ケアポット 目次
ケアポットの企業ホームページから、親ブックの見本を全ページデジタルブックで見ることができます。
「くらし」「自分史」「旅行」「食」「カルチャー」「ワードローブ」
6つのカテゴリーに分かれます。例えば、親の青春時代、結婚、旅行のエピソードなど写真を貼りつけながら親と一緒にアルバム制作ができます。
楽しく家族でかき綴ってほしいというコンセプトのため、資産情報、葬儀などの終活関連のカテゴリーはありません。
4.総評・口コミ・レビュー
2015年9月17日に初版発行。
ケアポットの企業理念として<介護に楽しさをプラスするサービスを作り、介護におけるネガティブな要素を最小限に抑える>とある。なるほど、親ブックを見るとたしかにネガティブな要素が一切ないです。Amazonでの評価も軒並み高評価。実際に親子をつなぐコミュニケーションツールとして機能しているということかと思います。
良い点
親にいろいろ聞いておきたいな、と思ってもなかなか、急に面と向かって切り出しにくいもの。大人になったからこそ、お互い照れもあります。ノートを口実に様々な話が聞けそうです。また、いきなり人生の最終段階について、資産について、葬儀についてを聞くのも難しいものです。親のことを心配しているよ、話を聞かせてほしいというとっかかりには最適と思います。
本の中身



親がいつもどんな生活をしているのか、意外に知らないこともあります。習い事をどこでどんな人としているの?連絡先は?など必要な情報につなげていくことも可能。
またどんなことが好きなのか、趣味について聞くエンタメ欄もあります。好きなことならば会話がはずみそうですね。帰省やお正月、お盆など人が集まるときでも楽しくすすめられます。
親の得意料理。実家へ帰るとついつい食べる専門になってしまい、レシピを知らないコトもあると思います。教わっておけばよかった!と後悔することが多いのがおふくろの味(おやじの味でももちろんOK)
心に残る旅の思い出や思い出の品物を書き留めておけるのもいいですね。眠りっぱなしの写真もこのノートに貼り付ければよみがえります。
思い出の品物については、遺品整理の際にも役立ちます。
できれば、誰にあげたいか、譲りたい人がいるかまで聞けたら今後の役に立ちます。
残念ポイント

仕方のないことですが、健康面に関するページは上記の1ページのみ。
今後の介護などに関する思いを聞く欄もなく、エンディングノートとして購入した場合は期待はずれに感じてしまうと思います。
エンディングノートをいきなり書こうと提案することで、親子関係がぎくしゃくしそう、という方が導入に使うことは良いとは思いますが、一方、これだけ聞いてあらためてエンディングノート要素を聞くことに二度手間感は否めません。
いずれ誰もが迎える死や介護という大切な核心を避けたままにならないといいな・・・ということが懸念されます。ここは賛否分かれるところです。
1404円はノートの形状やボリュームから考えるとやや割高感がある。デザイン料かもしれない。
5.5つ星判定
エンディングノートソムリエの評価
親のことを考え始めた方の入門編といったところ。エンディングノートのカテゴリーには入れられません。介護や、葬儀、財産、人生の最終段階の方針はまたあらためて確認する必要があります。
ただ、親のことが心配なだけなのに「エンディングノート」「終活」という言葉で親を傷つけたくない、もっとやんわりと親と今後のことを話したい、という場面にはぴったりです。
自由が丘の雑貨屋さんに置いてあっても違和感がないデザインは、堅苦しさがなくあたたかみがあります。
星3つの理由は、エンディングノートの役割は果たしていない、もしものときに活用できるものではないから、です。大人になった子どもたちが親とのコミュニケーションツールとして使用するものと理解して購入するならば、満足感を得られるのではないでしょうか。
でも話しにくいことだからこそ、せっかく時間をとったのだから逃げずに、親と話ができたらいいのになとも強く思います。
エンディングノート機能は親が抵抗を感じるのでひとまずきっかけを作りたい。ノートをきっかけに親子で普段話さないようなことも聞いてみたい方におすすめです。