人が生きていく上で切っても切り離せないのがお金のこと。年金、証券類、保険などいろいろ保険に入っていて忘れているものはありませんか。また、これらの書類はひとまとめになっていますか。使おうと思ったときにあちこち探す必要はないでしょうか。
実は保険は「どこの代理店と契約しているか」「証券番号」が分かれば請求できます。
このように情報をまとめたエンディングノートは災害時の非常持ち出し袋に入れておいても助かるモノです。備忘録にもなります。さらに、自分自身に万が一のことがあったとき、悲しみの中で手続きを行う大切な人たちの助けにもなります。
1.はじめに
まず自分の持つすべての書類について、引き出しから出して把握をしましょう。
✅銀行の通帳
✅保険の証券類
✅公的年金
✅有価証券
✅純金積み立てや会員権などの金融資産
✅不動産関係の書類
すべて、エンディングノートに記載します。バラバラに保管しているようならひとまとめにしましょう。防犯上分けてしまっているなら、しまってある場所を明確に記載する必要があります。災害時持ち出すものは非常持ち出し袋もそばに置いておくと良いです。
借金がある方はその記載もお忘れなく。負の遺産を相続放棄できる期間はたったの3か月!
相続放棄は「自己のために相続があったことを知ったときから3ヶ月以内」にしなければならないと決まっています(民法第915条1項)
残された方に借金を負わせないためにも、隠していた借金も含め記載しておきましょう。
2.銀行口座の整理
何年も使っていない銀行口座はありませんか。
古い銀行通帳はありませんか。
キャッシュカードの番号も思い出せない、銀行名が統合して替わった通帳がありませんか。
自分の資産の把握のためにも少額しか残っていないお金は引き出し、どのみち忘れていたお金ですから、おいしい食事でもして楽しく整理しましょう。
最近ではネット銀行を利用する方が増えています。通帳がないので気がつかないこともありますので記載しておきましょう。
銀行口座は整理するとき口座を用途別に分けるのがおすすめです。
✅ 生活口座
✅ 入院や介護が必要になったとき使う口座(子どもや親類に暗証番号を伝え、引き出しを依頼する口座)
✅ 葬儀やお墓、法事などに使う口座
子どもや親類が金銭的トラブルにならないためもそうですが、自分自身で入院や介護が必要になり口座の管理を依頼するときにも「○○銀行のものを使って」とお願いしやすいです。子どもや親類に口座番号を伝える用のものだけは、暗証番号を念のため分けておくと安心です。
家族で水くさいと思うかもしれませんが、お金のことは念を入れておくに超したことはありません。あなたの財産は、これまで積み上げてきた人生の証。大事にしてください。
3.保険について
まず自分が何の保険にはいっているか、確認しましょう。お付き合いで入った保険はありませんか。
生命保険、医療保険、個人年金保険、損害保険、自動車保険などなど一通り書き出してみましょう。
保険証書の保管場所も記しておきます。しかし、災害などで紛失したときは会社と証券番号がわかれば対応してもらえますので、誰が見ても分かるように記載しておきます。
生命保険の受取人は誰になっていますか。設定した当時と現在では生活状況が変化している可能性もあるので確認が必要です。
ココがポイント
生命保険の死亡保険金など、受取人として特定の人が指定されている場合、この請求権は受取人固有の財産と判断されます。このため相続財産にも、遺産分割の対象にもなりません。原則として受取人が単独で支払い手続きを進めることができます。このこともふまえて、受取人を考えましょう。ただし、所得税、相続税、贈与税などの課税対象にはなることは注意してください。
3.公的年金について
年金手帳のしまい場所、基礎年金番号を記しておきます。
4.有価証券、その他の金融資産について
株式、債券、投資信託、国債などを一覧に記します。記入日現在の金額や評価額を書いてみると、自身の資産管理に役立ちます。放っておいて何年もたっているもの、証券会社に預けず手元に置いたままになっている株券などがあればこの際整理しましょう。
5.借入金、ローン、キャッシングについて
借金などの負債も相続の対象です。知人の借金の保証人となっている場合、その保険債務も相続の対象です。残された方が負債を知っていれば、相続放棄などを見当することができます。
個人間のお金の貸し借りで借用書がある場合、保管場所もきちんと記しておきましょう。
親族、友人など貸しているお金がある場合には、「誰に」「いくら」貸しているのかきちんと記さないとうやむやになってしまいます。気をつけてください。
ローン、キャッシングについてはどこから借りているのか、返済日、返済口座銀行、保証人の有無を記す必要があります。記入日の借り入れ残高、完済予定日も記入しておきましょう。
6.不動産について
所有している不動産を記します。一戸建ての場合、建物と土地を別々に記入します。土地だけは借地、建物だけは所有が親戚、など不動産は複雑な名義であることも多々あります。子どもたちもてっきり親の所有する不動産と思っていた、ということもあります。
登記簿の内容はなるべく書いておくこと、抵当権設定があれば、忘れずに記載しましょう。しまってある場所も記しておく必要があります。
5.まとめ
もしも緊急入院したら、もしも災害にあったら、もしも介護が必要になったらそしてもしもの相続の際に「まとめておいてよかった(まとめてもらって良かった)」と実感するお金関係。そして、現在自分の保有している資産がどのくらいか目に見える化することで、これからの人生設計にも役立ちます。
この先の未来に漠然とした不安を持っている方も、どのくらい使えるのか、どのように生活設計をしたら安心が得られるか現実的に考えるきっかけにもなります。
エイっと重い腰をあげなければ、なかなか手をつける気持ちにならないお金関係。面倒ですね。でもやる価値はあります。記入する必要がある資産(や借金)はいままで生きてきた人生そのもの。まとめてみるとこれからの人生が見えてきます。
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