「もしボケたらいっそのこと殺してくれ!」なんておっしゃる方もいますが、そういうわけにはいきません。誰にでも起こりうる認知症。
親が!夫が!妻が!まさか自分が!身近なこととして考えたことありますか?
超高齢化社会の中、厚生労働省によると2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると推計されています
認知症について誤解されていること
「認知症になったらここがどこか自分がだれかわからなくなる」
わたしは誰ここはどこ?これは記憶喪失ですね。
また認知症になったらすぐに何もかもわからなくなるわけではありません。
ここで認知症初期症状をチェック ☑「同じことを何回も話す・尋ねる」 ☑「物の置き忘れが増え、よく捜し物をする」 ☑「以前はできた料理や買い物に手間取る」 ☑「お金の管理ができない」 ☑「ニュースなど周りの出来事に関心がない」 ☑「意欲がなく、趣味・活動をやめた」など意欲低下が見られる
「怒りっぽくなった・疑い深くなった」ということもしばしば見られます。
財布などの置き場所がわからず「誰かが盗った!!」と騒いでしまう・・・
これは認知症の症状によって物事がうまくいかない心理的な不安や焦燥感が影響していると考えられます。
親御さんや配偶者が認知症の初期症状があるとき、家族がやってしまいがちなこと。
それは「わからないことをからかう」「わからないことを小ばかにする」
家族って悪気がなくしてしまうことがあるんです。
小ばかになんて、と思うかもしれません。
でも「そんなこともわからないの」
「はいはいまた忘れたのね」
「何回おんなじこと聞くの?」
と笑ったりしたら・・・それは小ばかにされたと感じても無理がないです。
わからなくなっている自分が自分でどうにもならない・・・
なんでいままで出来ていたことができないんだろう・・・
できない自分を認めたくない・・・
どうなってしまうのか怖い・・・
そう不安に思っているところを、あげつらって笑われているような。そんな気分になってしまうのです。たとえ、全く悪気がないとしても。
気弱な方は落ち込んでいます。
怒る方もいらっしゃいます。
認知症は何もわからないわけではありません。
「認知症だから怒りっぽくなった」のは事実ですが「ほんとうにそれだけかな」という
視点は忘れないでいたいものです。
ココがポイント
認知症の方のための施設 グループホーム
上記のお話は認知症の方々から直接伺ったお話です。
グループホームという施設で健康管理業務をしているときに様々な心境をお話してくだ
さいました。
グループホームとは
(梶本章 朝日新聞記者 / 2007年)
個室がありますから、思い思いに個室でくつろぐこともできます。インテリアや置くものも自分好みに配置できます。
とはいえ、朝昼晩おやつ時間は、みなさんで食卓を囲みます。ひきこもるということはありません。
お料理をされる方、買い物に行かれる方など、共同生活を営む上で必要なことを分担していきます。ゆったりした環境の中、無理強いするのではなく、自ら行うことで行動障害を緩和していきます。
定員9名ほどで1ユニットなので、小規模ならではのアットホームさがあります。ただし中に「合わない」方がいるのも事実。
そこは少人数の良さと、密な人間関係のわずらわしさが表裏一体あると考えた
ほうがいいです。認知症だって煩わしい人間関係はどこにでもついてくると考えてよさそう。
認知症が疑われたときはじめにすること
認知症を専門に診る物忘れ外来を受診する。新しい医療機関の受診を嫌がる場合もある
ので、最近ではかかりつけ医が認知症の初期対応をするケースも増えています。
どこで診てもらえばよいかわからない場合は、「地域包括支援センター」に相談しましょう。地域包括センターは地域のよろず相談所。高齢者、介護に関すること、サービスについての情報を多く持っています。
*コッソリ*
中立公平を求められる公的機関。察しがつくと思いますが、公的機関って担当者によって親身になってくれないことも。また担当者によって知識のばらつきがあります。
地域包括は敵にするより味方になってほしいところ。
対応のまずさを指摘してもそういう人はそういうスタンスなので何も変わりません(残念ですが)対応のよい担当者も必ずいます。
後日出直して、いろんな人の話を聞きたい等、うまいこと言って他の方にもお話を聞いてみましょう。
認知症に関する詳しい情報を知りたい場合は、各都道府県にある
公益社団法人認知症の人と家族の会 で相談することもできます。
ここには物忘れ外来一覧もありますし、電話相談もあります。本人、家族のつどいもあります。とっても情報がつまっているので一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。