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親が倒れたときにやるべき事!②介護申請の流れを解説します

親が急に倒れた!
元気だった親が、脳梗塞や脳出血、心臓の疾患、その他の病気、事故や転倒などで入院したとき。
「退院した後、元通りの生活ができるかな・・・」と頭をよぎったとき。
まず、どこに、何を相談したらいいのかわからなことも多いようです。
先日こんなことがありました。

東京住まいの友人たちと食事をしたときのこと。

友人が「実は関西に住んでいる父が入院したんだ」と話を切り出しました。
「明日からなら夫が子どもを見てくれるから、親の様子を見に関西に1泊行けるの」
「両親二人暮らしで、年齢も75歳超えているし。兄弟も誰も関西にいないの。今後どうなるのか全然予想がつかなくて」
「もともと母親のほうが体調悪くて、父が家事や母の通院生活を支えていたのにどうなるんだろう・・・」
「転倒もしたから歩くのも難しくて。家に帰るとしてもあの家じゃ無理。手すりつけたり、実家のリフォームも必要になると思う」
「心配なことばかりだけど、何から手をつけたらいいかわからなくて」

そこでわたしが「介護保険制度の申請はしているの?」と尋ねると「えっ。何それ。教えて。どうしたらいいの?」
友人たちも「よく聞くけどいまいちわかっていないんだよね」
「そもそもまずはじめに何をしたらいいの?」と。

はじめてのことはわからなくて当然です。しかし、病院は1か月程度で退院を求めますから、なるべく早く相談・手続きをする必要があります。

友人については介護保険サービスを受ける流れについて説明しました。
また、1か月ほどで退院または転院の話になるだろうから早速動いた方がいいこと、
お父さんだけでなく、あわせてお母さんの要介護認定申請を行うことも勧めました。
これは通院サポートをはじめ、日常生活を支えていた父のおかげで母の生活は成り立っていたことが予測されることと、
今後は夫婦2人暮らしができるように、介護サービスを活用することになるだろうと考えたからです。

友人は、その後速やかに父母2人分の要介護認定申請を行い、無事認定されたと教えてくれました。
関西でなんとか2人暮らしを継続しつつ、施設の利用も検討していくとのことでした。

介護保険制度とは

高齢者の介護を、家族だけでなく、社会全体で支えていくというしくみで2000年より施行。
40歳以上の全国民に加入義務がある公的保険。

制度を利用できる人

・40~64歳の場合、初期の認知症、老化が原因とされる病気で介護や支援が必要となった人
・65歳以上で要介護・要支援認定を受けた人

介護保険料を払って被保険者の資格を得ても、どの程度の介護が必要かという要介護認定を受けなければ保険サービスを利用できない。

要介護認定を受ける流れ

介護保険のサービスを受けるためには、要介護認定の審査を受け、認定される必要があります。家族だけでは支えきれなくなった親の介護をお願いするときにはまずはじめに申請をしましょう。

◇どこに申請?
介護保険のサービスを利用するためには、市区町村の窓口で要介護認定の申請が必要。
市区町村の役所に出向き「高齢者の相談窓口」に相談します。総合案内で介護保険の申請がしたい、と告げると案内してもらえる。

◇申請書のもらい方・・・3つの方法があります。
①住んでいるところの市区町村・介護保険担当の窓口で直接もらう。
②地域包括支援センターでもらう。
③市区町村のホームページからダウンロードする。

◇申請先
申請書に必要事項を記入して、市区町村の担当窓口(保健福祉課など)に提出する。

◇誰が申請?
本人または家族、親族、あるいは成年後見人、地域包括支援センター、ケアマネージャー、介護保険施設(すでに入所中のひと)など厚生労働省令で定める人に代行してもらうこともできる。

親の家が遠方で、すぐに飛んでいって申請をしたいけれどままならない状況の場合は、まず地域包括支援センターに相談しましょう。

参考

地域包括支援センターとは

高齢者が住み慣れた地域で安定した生活を送れるように、介護予防、福祉などの面から総合的、継続的な支援をする組織。

これは市区町村窓口とは異なるもので、市区町村との関係機関です。社会福祉法人やNPO、民間の介護事業者など母体は様々。

・「包括」という名の通り、相談者に対してそれぞれの専門分野のスタッフが相談者に対応し、相談者の情報を全員で共有します。

「主任ケアマネージャー」・・・市区町村や関係機関との連絡・調整を担当。地域のケアマネージャーの相談に応じるなど、包括的なケアマネジメント業務も行う。
「社会福祉主事」・・・介護以外の様々な困りごとも含めて医療・福祉機関などとの連絡を行う。権利擁護支援などの相談にものってくれる。
「保健師(または経験のある看護師)」・・・利用者の心身の状態を把握して介護予防ケアマネジメントなどに関わり支援する。

申請に必要なもの

・介護保険認定申請書
・介護保険者証
・(40~64歳の場合)医療保険被保険者
・かかりつけの病院名・所在地・電話番後がわかる診察券など

提出を済ませたら、介護保険資格者証を受け取って手続きはひとまず完了です。
訪問の認定調査の日を待ちます。

認定調査の流れ

◇申請書を提出すると訪問で「認定調査」が行われる。
申請者の日常の状態を把握し、どの程度の介護が必要かを審査するための資料を作る目的で行う。

◇認定調査のあらまし
ステップ1
・医学的な意見を求めるため、申請者の主治医に市区町村が意見書の作成を依頼します。
申請時にかかりつけの病院名を記入するのはこのためです。

・調査員が申請者を訪問調査
調査員は「市区町村の職員」「市区町村から委託を受けたケアマネージャー」などです。

訪問調査内容は74項目あります。調査項目は大きく分けて3項目
①概況調査・・・現在の生活や家族構成など、利用者の介護に必要な一般情報。

②基本調査・・・麻痺の有無、床ずれ有無、排尿・排便は一人でできるかなど、心身の状況や特別な医療に関する項目、その他について、調査員が口頭で質問する。

③特別事項に関する質問・・・基本調査の項目だけでは把握しきれない情報を記入する。

認定調査の日だけ、緊張感があるからか普段できないことが何故かできてしまったり、認知症の方がこの日だけ急にしゃきしゃきお話されることも。
きちんと調査してもらえない!要介護度が下げられてしまう!と焦るご家族も多いです。
できるだけ日常を知っているご家族が同席し、普段の様子を正しく伝えるようにしましょう。

ステップ2
一次判定(コンピューターによる)
訪問調査票の基本調査結果と主治医意見書をコンピューター入力し、食事・排泄・移動などの要介護認定調査基準時間を作り出し。時間に応じて「自立」「要支援」「要介護」を認定する。

ステップ3
二次判定(介護認定調査会による)
一次判定の結果及び調査票の特記事項、主治医の意見書に基づき、保健・医療・福祉などの専門家らで構成される介護認定審査会で、要介護度を審査・認定(二次判定)する。
これは介護の手間に関わる審査判定です。

ステップ4
介護認定審査が終わると要介護状態の区分が決められます。

「介護の手間」を表す「ものさし」として介護度が認定されます。

非該当→自立
該当→要支援1,要支援2,要介護度1~5

結果通知は、申請者に郵送で通知されます。(原則、申請日より30日以内)

注意ポイント

たとえ、重い病気や障害があったとしても、末期がんだったとしても、食事や排泄などの日常生活が自分でできるようであれば介護度が低いと認定されることもあります。逆のケースもしかり。病気の重さで判定するものではないことは知っておきましょう。

まとめ

親の病気や事故は突然起こります。
もちろん、頭ではわかっていても、実際その立場になってみると慌ててしまうことも多くあります。
でも大丈夫。誰でも焦ってしまうものですからひとつ、ひとつ考えていきましょう。
自分自身の生活を平行させながら、親の生活も守らなければいけないのは大変なことです。各方面の調整含め、考えることがたくさんあると思います。遠方ならなおさら。
大切なのは「1人で抱え込みすぎない」こと。
配偶者が頼りにならない場合もあるでしょう。友人に経験者がいなこともあるでしょう。
でも大丈夫です。専門家の支援体制があります。
病院に入院中であれば、ソーシャルワーカー(医療相談員)に相談しましょう。
また地域包括支援センター、市区町村の高齢者相談窓口なども活用できます。
親のフォローは抱え込みすぎると息切れしてしまいます。
いま現在のあなた自身の日常生活、仕事、配偶者、子どもなどの生活は大切にしてください。
何よりあなた自身の心と身体の健康も大切にしてください。応援しています。

相談してみたものの「あまり親切じゃなくて・・・」と思ったときもあきらめないでください。正直に言うと、窓口を担当する職員もさまざまです。心が落ち込んでいるときにはきつく感じたけれど、経験豊富で頼れる担当者の場合もあります。どこの社会にもいる一定の「やっつけ仕事」の方も残念ながらいます。でも!声を大にして言いたい!!大部分は志があり、知識を提供して親身に寄り添いたいと思う職員です!!何回か足を運べばこうした方に相談できる機会もありますから。

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